画家の絵筆と絵の具と同じ

僕は、仕事として、フォトグラファーやビデオグラファーをやっていますが、元々は画家志望で美術大学を卒業しています。写真を始めたのも絵画の延長で扱えるということでした。要は、絵筆をカメラに、絵の具をフィルムにしてしまったわけです。絵を描くという作業だけに目を向けると絵筆と絵の具が主題になります。でも主題はそこではありません。

アマチュアのカメラマンと限定してはいけないと思いますが、写真を趣味とする方々は、この絵筆と絵具にこだわる方と、もう一つの要素である”被写体との出会い”にこだわる方がいます。絵画の場合の被写体は、実際に見える風景だったり人物だったりしますが、もう一つややこしいものがありまして、”心”をモチーフにする人もいます。写真をする方の中には、”心”を被写体にする方もいますが、実際に見える世界しか写せないので、被写体に心を投影するような撮影になります。

実は、被写体という出会いがあって、それを写せる技術と機材があって、表現が成り立つものですから、どれかが抜けていては、ただのマニアックな人となってしまいがちです。マニアックな方と出会ったことはありますでしょうか?インターネット上だったりすると、レビューとか評価と言われる投稿欄に出てきますね。非常に機材に詳しい方などが存在します。きっと、そっち方面が楽しいのでしょう。僕もそういう話は大好きですし研究もしますが、道具としての研究であって、買って集めたりはしません。どちらかとうと買った道具をとことん使うタイプです。

それで、僕の場合は芸術に興味があるのは子供の頃から変わりません。でも、出会いや心の部分が描く動機になりますから、非常に大切な要素ですから、それを表現するために、絵筆と絵の具を用意するわけです。

被写体との出会いは描く理由につながる

では、画家との道具を写真だと何に当たるのか書いてみます。

絵画 写真
絵筆 カメラ&レンズ
絵の具 フィルム デジタルカメラ
キャンバス ファインダー
サブの絵筆や絵の具 パソコン&ソフトウェア
被写体 現実のモノに限定
個展 個展、SNS、ホームページ、YouTube

 

絵筆は、カメラだと感じます。絵の具は、デジタルカメラが出だしてからはカメラ本体になってきた感じです。キャンバスはパソコンやソフトウェアになるような気がしますね。おまけで個展を書いてみましが、時代の流れでモニターで見れる物が優位性があるかな?という時代です。でも、アナログな質感が感じられる展示は情報量が多いですし珍しいですから価値が上がるのかなとも思います。

それで、この道具を使って描いていくわけです。描く動機は被写体などの出会いです。カメラの場合は、その一瞬の出会いの一番良いところを狙って即座に写して表現することが可能です。

この出会いを表現の素材として捉えているのがInstagramで多く見られるのかな?と感じています。美しく表現するために画像を加工しているものがそれに当たります。一つの表現ですが、リアリティーには欠けます。

王道的な表現方法のに、そのもの良さを引き出すという撮影方法もあります。地味ですが、僕はこちらのタイプになります。被写体の背景にあるドラマや歴史まで映し出せると楽しいですね。動画にする場合は、これが表現しやすく、美しい風景を狙うだけでもいいのですが、その奥にある何かを時間軸やカメラ側を動かしながら写すことで表現したりします。僕の場合は、この動画が楽しくて撮影をしていますが、その中で、絵の具の部分が、どうしても納得行かなかったのですが、解決出来る道具を手に入れることが出来ました。

 

動画カメラの絵の具を最強仕様に

デジタル一眼レフカメラの場合は、絵の具にあたる部分は、デジタルになりますが、256色×3(赤・青・緑の光の三原色)という計算が出来ます。約1677色の絵の具が用意されているわけです。

ところがです!自然の色は、1677色では表現しきれません。一見多そうな数字ですが、グラデーションになっている部分の色が色が足りなくて段々になるのです。空とかが分かりやすいですね。他の部分は何となく違和感が感じられる程度ですが、確かに色数が多くなると滑らかです。特に、レタッチや加工した時に随所になります。それをさらに色数を増やして、カメラのセンサーから直接排出したデーターを扱うことで、カメラ内で色変換する工程をスルーさせて、後でパソコンでじっくりと描くことが出来ます。それをRAW撮影と言います。写真ではポピュラーは手法です。

知らない方も多いかと思いますけど。でも僕は動画でそれがしたかったのです。欲しい画質が得られるカメラはとても高価な領域で、しかも巨大なカメラしかありません。そしてデータ容量が半端ではありません。

実は、カメラが巨大とか重量的にかさむとか、データ容量が多いと、今度は、被写体との出会いの要素が欠落するのです。機動力が下がるという言い方も出来ます。出会いが浅くなるのです。撮影したい気持ちが落ちてしまうとも言えるでしょう。高画質カメラと言われるものの中には大きいものが少なくありません。それを使うのがプロとして当たり前的な発想もあると思いますが、それでは表現が一辺倒になったり、表現に動きが無くなってきたり、内容が薄くなってしまったりするのです。画質は良くなるんですけどね。

絵を描くのに、巨大な筆で描く場合があるとすれば、細かい部分の描写などの作業には向いていませんし、体力的に無理なこともあるでしょう。極端ですがカメラも同じです。多人数で出来る撮影と個人で出来る撮影も違います。やっぱり僕は一人になって撮影がやりたいタイプですから大掛かりな装備だと撮影が進みません。大きくて性能の良いカメラを使ったらいい写真が撮れると思っている方は多いかもしれません。実は、技術の進歩もあって必ずしもそうでは無くってきているのです。

そこで、動画のカメラとして手に入れたのが、”Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K”というオーストラリアのカメラです。RAW動画が撮れるカメラで、専用のソフトウェアも優秀です。本来はマイクロフォーサーズという小型のレンズが取り付けられる規格なのですが、そちらは、これからゆっくりになりますが、機材がそろえば機動力も上がる予定です。

ということで、途中マニアックな専門用語が出てきて読むのが難しくなっているかもしれませんが、出会いを表現の理由になることと、その出会いで即座に撮影表現しやすい道具の組み合わせで、出来るだけ芸術の領域に作り上げていきたいので、いろいろ考えて行動しているというお話でした。

パソコンやソフトウェアの使っている内容なども紹介するとボリュームが大変なのと、こちらのブログの趣旨からすると離れていくので書きませんが、別のブログやYouTubeでもお伝えしてみようかなって思っています。

機材の性能など気にされている方には、物足りない記事だったと思います。

撮影対象に対する目的が合って、もっとオートフォーカスの性能が高いカメラは?とか、動体撮影に満足の行くカメラはとか?好きな色が出やすいカメラは?などなど、そういうレビュー記事だったら読みたくなるかと思いますが、実は被写体に対して理解が深まると、その性能は全てではない事が分かります。そちらも結構ロマンありますよ(笑)

こちらのサイトは、どちらかというと”心”の方に焦点をあてています。何か行動する時は、まずは”心”で決めたことが優先されます。機材が先ではないので、少し気にしていただけると嬉しいです。

 

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